出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/23 22:05 UTC 版)
「酒器」の記事における「銚子(ちょうし)」の解説
現在も使われる、燗をつけた酒を移し入れる器を指すが、時代を下るに従って小型になってきている。江戸時代、上方では御殿から娼家に至るまでどこでも銚子で燗をつけていたが、江戸では銚子は正式の膳である式正(しきじょう)にのみ使うものであったという。現代では銚子と徳利はほぼ同じものとして扱っているが、江戸時代には別物であった。江戸時代中期ごろまでは、宴も初めのうちは銚子を使い、三献すると徳利に切り替えた。やがて初めから徳利を用いるようになり、江戸時代末期には大名ですら酒宴で徳利で酒を飲むようになったという。なお、神社で儀式で用いる銚子は平安時代にはすでに存在していた。柄の長い「長柄銚子」(ながえのちょうし)は片口(かたくち)と両口(もろくち)があり、片口を正式とする。また、提梁のついた銚子を「提子」(ひさげ)と呼び、酒を足すために用いることが多い。
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